春色の恋−カナコ−[完]
実際は、付き合った期間とか、出会ってからの時間って長さじゃないんだって思う。

それくらい、河合さんのことを愛しているし、愛されているんだっていつも感じている。

式は、チャペルのある駅近くの式場。

新しくオープンしたところで、真っ白なチャペルがすごく素敵なところ。

いくつかピックアップして見学した式場の中で、一番最後に見学したけど場所に一目ぼれしてしまった。

小さな式場だけど、披露宴会場も素敵で、会場に面した庭でもパーティーが出来るらしくて今のところお庭でのパーティーで話が進んでいる。

天気に恵まれるといいな。

そうすれば、あの素敵なお庭で皆に祝福してもらうことが出来るのに。

「じゃあ、私これを式場の人にお願いしてくるね」

確認が終わって、今日は式場へ書類を提出する日。

河合さんは用事があって夜にしか会うことが出来ないので一人で持っていくことになっていた。

「車使うか?」

玄関で靴をはいていたら、車のキーを持ってきたおにいちゃんがやってきて。

「ありがとう。バスで行こうと思っていたんだけど…」

最近、一人で車の運転をしていないからあまり乗りたくないんだけど。

でも、バスで行くよりも断然楽なのも本当のことで。

どうしようか迷っていたら、うしろからカオリさんが大きなお腹を抱えてやって来た。

「コウヘイ君が送ってあげればいいでしょう?」

ねえ?と私をみて笑うカオリさん。
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