春色の恋−カナコ−[完]
近くのテイクアウトのできるコーヒーショップでコーヒーを2つお持ち帰りし、近くの公園に車を止めた。
あまり遅くなっても心配掛けるだろうし。
私が高校生のころ、走っているときに休憩していた公園。
最近はもう少し近くのところで休憩することが多くなっていて、少し離れているこの公園まで来ることはめったになくなっていた。
「懐かしいね~」
木陰にあるベンチに座り、コーヒーを口にする。
「いつもここで休憩していたな」
ふと見上げると大きな木がたくさんの葉で太陽の日差しから私たちを守っていてくれるようで。
早朝とはまた違う昼間の日差しはまぶしいけど、それでも気持ちいいと感じることが出来た。
「もうすぐだな」
遠くを見ながらおにいちゃんが呟いた「もうすぐ」は、きっと私の結婚のこと。
「うん、赤ちゃんももうすぐだね」
「カナコ。幸せになれ」
ふとおにいちゃんを見ると、真剣な顔をして私を見つめていて。
「おにいちゃん…」
いつものように、くしゃくしゃっと私の頭をなでてくれた。
そうだ、これももうずいぶんとしてもらっていなかった。
こうして、自分が大人になっていくのを感じていたことを思い出す。
あまり遅くなっても心配掛けるだろうし。
私が高校生のころ、走っているときに休憩していた公園。
最近はもう少し近くのところで休憩することが多くなっていて、少し離れているこの公園まで来ることはめったになくなっていた。
「懐かしいね~」
木陰にあるベンチに座り、コーヒーを口にする。
「いつもここで休憩していたな」
ふと見上げると大きな木がたくさんの葉で太陽の日差しから私たちを守っていてくれるようで。
早朝とはまた違う昼間の日差しはまぶしいけど、それでも気持ちいいと感じることが出来た。
「もうすぐだな」
遠くを見ながらおにいちゃんが呟いた「もうすぐ」は、きっと私の結婚のこと。
「うん、赤ちゃんももうすぐだね」
「カナコ。幸せになれ」
ふとおにいちゃんを見ると、真剣な顔をして私を見つめていて。
「おにいちゃん…」
いつものように、くしゃくしゃっと私の頭をなでてくれた。
そうだ、これももうずいぶんとしてもらっていなかった。
こうして、自分が大人になっていくのを感じていたことを思い出す。