春色の恋−カナコ−[完]
きっと岡本さんってもてるんだろうな。あ、でも結婚しているんだっけ。

なんてぼーっと考えていたら、いつの間にか私の紹介がはじまっていて。

「じゃあ、浅野さん、自己紹介をお願いします」

なんて振られちゃって、一気に視線は私に集中。

緊張で声が震えるんじゃないかと思いつつ、ぐっとおなかに力を入れて声を出してみる。

「浅野カナコです。今日からどうぞよろしくお願いします」

なんとかふるえずに言えたんじゃない?とホッとしつつ、部屋全体を見てみると、皆さん笑顔で拍手なんてしてくれて。

恥ずかしいけど、なんだか嬉しくて。

そのまま仕事の話になり、わからない私はただただ話を聞いているだけで朝礼も終了。

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