春色の恋−カナコ−[完]
「うわー、素敵…」

どれも素敵なんだけど、ちらっと値段を確認するとびっくりする位の金額で。

うそ…。お給料3カ月分とかって言うけど…。

「婚約指輪でしたら、こちらなんていかがでしょうか?」

婚約指輪!!!

やっぱりそうなの?

店員さんの言葉に、思わず河合さんを見ると店員さんにいくつか質問をしていて。

そのまま、店員さんが奥へ行ったかと思うと3種類の指輪を持ってきてくれた。

「ああ、これいいかも。カナコちゃん、どう?」

その中のひとつを指して私に問いかけてくれるけど、正直どれも素敵だけど自分がつけると思うとよくわからない。

もともとそんなにアクセサリーを付ける方ではないし、ましてや婚約指輪なんてまだ私の友達でもらった子もいないし。

困ってしまい、ちょっとだけ泣きそうになりながら河合さんを見ると、くすくすと笑って私の頭をなでてくれた。

「そんな顔しなくても。好きなのを選んでいいんだよ?」

「でも、よくわからなくて」

正直に気持ちを伝えると、最終的には河合さんが選んでくれた。

「リボンをおかけしてよろしかったですか?」

河合さんが選んだ指輪が私にぴったりサイズで。

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