春色の恋−カナコ−[完]
私の両親が帰国したら、きちんと挨拶に来てくれるという河合さん。

その前に、おにいちゃんに報告しなきゃならないのは当然で。

いつか、私のことをお嫁さんにしたいという気持ちは、私と付き合いだしてからすぐ位におにいちゃんに伝えたのだと教えてくれた。

そんなに早くから考えていてくれたなんて…。

まったく気がつかなかった私だけど、今はそれもすごくうれしい。

「コウスケさんは、おにいちゃんが認めてくれたんですよ。大丈夫です」

私の彼氏として、初めて認めてもらえた人。

今まで、好きになった人はおにいちゃんに認められることもなくて。

おにいちゃんが認めてくれたからじゃなくて、私も自分から好きになったと思っているからこそ、おにいちゃんにも祝福してほしい。

正直、結婚とかまだよくわからないけど、でも河合さんと一緒に居たいとは思うし。

「俺、コウヘイに認められたの?」

あははと笑いながら私の頭を優しく撫でてくれる河合さんだけど、私の耳に直接聞こえてくる彼の鼓動は、とても心地よくて。

「今まで、男の人とデートするのにおにいちゃんが送り出してくれたのなんて、コウスケさんだけですよ!」

そんなに沢山デートの経験があるわけじゃないけど・・・。

私の言葉を聞いたあと、ちゅっと頭のてっぺんにキスが降ってきた。

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