春色の恋−カナコ−[完]
すでに河合さんのベッドルームにいるんだから、このまま一緒にって考えるのが普通だよね。

真っ赤な顔で、河合さんと目を合わすことすらできなくなっている私。

そんな私の背中を優しく撫でながら、河合さんはそっと私の体をベッドに寝かせてくれた。

目の前には、天井と河合さんの顔。

「おやすみ、カナコちゃん」

おでこにかかっている前髪をそっと除けた後、ちゅっと音をたてておでこにキスをして。

そのまま河合さんは私の隣で横になり、私を脇の下で抱えるようにして布団をかぶってしまった。

…え?

本当に寝るの?

ふと、お風呂に入る前に「続きは後で」なんて言われたことを思い出し、なんだか眠れそうにない。

ちょっとだけ体をそっと動かし、横にいる河合さんの方へ寝がえりを打ってみる。

「眠れない?」

当然というか、密着している河合さんは私が向きを変えたことに気がついて、自分も同じように私の方へからだを半分むき直してくれた。

予想外に絡み合う視線。

どうしよう、赤い顔をして言葉が出ない私。

「…あの、本当に寝るんですか?」

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