春色の恋−カナコ−[完]
軽く化粧をして戻ると、コーヒーだけじゃなくて朝ご飯まで出来上がっていた。

すごい、手際がいい…。

焼き上がったトーストをお皿に出していた河合さんに促され、出来上がった食卓に着くと、おなかがきゅるる~っと音を鳴らしてしまった。

やだ、恥ずかしい…。

「はは。じゃあ、食べようか」

「いただきます!」

半熟のスクランブルエッグ、私が作るより美味しい…。

もう少し真剣に料理の勉強しようかな。

花嫁修業?

美味しい朝食を食べながら、ひとりでそんなことを考えていたら、向かいに座っている河合さんに笑われてしまった。

「朝から百面相?赤くなったり困った顔したり、忙しいね?」

「え、いや、あの」

もう、すごく恥ずかしい!

あわててトーストにかぶりついて、むせてしまった。

「はは。ゆっくり食べるといいよ」

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