ショートケーキと羊羹の空想論
「明日の放課後、二人で検証しましょう。あん子先輩が先走って消えちゃうのも嫌だし、誰かに借りられるのも駄目なんで、本は俺が借りて帰ります」
ね、と念押しされて、私は戸惑いつつも彼の提案に乗ることにした。
一人で本と向かい合うと、私も同様に吸い込まれてしまうかもしれないから。真柴くんは暗にそう示していた。確かにそうかもしれない。
帰り道。図書室でうたた寝したときの状況を事細かく彼に問いただされた。寝不足が原因で寝落ちすることなんて、よくあることなのに、真柴くんは何度か首肯し、「わかりました」と言っていた。
何がわかったのかさっぱりだ。
「じゃあ明日の放課後、図書室に集合ってことで。忘れないでくださいよ?」
そう言って嬉しそうに笑う真柴くんに手を振って別れた。
魔法使いの設定について掘り下げるのを忘れ、その日はぐっすりと眠りに就いた。
*
翌日。放課後の図書室に入ると、昨日同様、図書係の女子生徒と目が合った。目当ての本棚に進みながら首を振り、周りの様子を確認する。
真柴くんは既に例の本棚に向かい合って立っていて、室内には私と彼と図書係の女子しかいないようだった。
ね、と念押しされて、私は戸惑いつつも彼の提案に乗ることにした。
一人で本と向かい合うと、私も同様に吸い込まれてしまうかもしれないから。真柴くんは暗にそう示していた。確かにそうかもしれない。
帰り道。図書室でうたた寝したときの状況を事細かく彼に問いただされた。寝不足が原因で寝落ちすることなんて、よくあることなのに、真柴くんは何度か首肯し、「わかりました」と言っていた。
何がわかったのかさっぱりだ。
「じゃあ明日の放課後、図書室に集合ってことで。忘れないでくださいよ?」
そう言って嬉しそうに笑う真柴くんに手を振って別れた。
魔法使いの設定について掘り下げるのを忘れ、その日はぐっすりと眠りに就いた。
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翌日。放課後の図書室に入ると、昨日同様、図書係の女子生徒と目が合った。目当ての本棚に進みながら首を振り、周りの様子を確認する。
真柴くんは既に例の本棚に向かい合って立っていて、室内には私と彼と図書係の女子しかいないようだった。