朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
そして、俺は自分の気持ちもぶつけた。
こうなった今、今後何があったとしても責任を取れるように琴音と付き合いたかった。
しかし哲哉の事が好きだった琴音が渋らないわけがなかった。
なんとか想いが伝わり正式に付き合うことは出来なかったが、仮彼氏になることは出来た。
今までの俺の行いからして仮でも俺とは絶対無理だって断られるかと思ったけど、本当に琴音は良い子だと思う。
「嵐、良かったじゃん」
「は!?なんもよくねぇよ!クソ… 」
「ずっと想ってた三神さんと付き合えるんだから少しくらい喜んでもいいと思うけど……そんなに思いつめるなら俺が三神さんの事嵐から奪っていいの? 」
「いや、それは…今は駄目だ!……ん?まさか、哲哉も琴音の事!?」
「ふはっ!嵐、真面目過ぎる。案外俺より真面目だからな」
この時哲哉が琴音の事を否定しなかった事にもう少し気を止めておくべきだった。
「お前自分で自分の事真面目って言うなよ!哲哉は真面目そうなだけだろ」
「まあね。その通りだけど」
哲哉はにっこり笑う。
女は何故かこの腹黒い笑顔でコロリとやられる。
良い奴だけどたまに考えが読み取れない。
「哲哉……あの日酔っ払った俺と琴音何であぁなったのか本当に知らないのか?」
「うん、二人共酔っ払って二人がリビングのソファで寝てて…みんな帰ったあと片付けて、ももこはそのままにしておけないから連れて帰る時も二人共ソファで寝てたよ」
「いや、起こせよ!何で俺達残して帰ってんの!?」
「嵐、三神さんの事好きなのにずっと空ぶってるから二人にしてあげたら三神さんと何かキッカケになるかなって思ってさぁ、まさか仮でも付き合う事になるとは思わなかったけど?三神さん思ってた以上に良い子だよね」
「クッ……」
「……仮でも三神さんは付き合って期間限定で付き合ってくれたって事は本来の嵐の事見てくれるって事でしょ?キッカケは何にせよ折角のチャンスなんだし頑張り菜よ、その方が俺も……」
「俺も?」
「今まで応援してきた甲斐あるし」
「応援……してたか?」
「心の中でずっとしてたよ」
哲哉は笑いながらそう言った。
とにかく仮でも付き合う事になったわけだから、今まで付き合った事はないけど俺なりに少しでも三神に好きになってもらえるうように頑張ろう。