朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
ピンポーン♪
「ちょっとーお兄ちゃん、出てくれる?琴音はなんか変だから」
「ああ」
お兄ちゃんは何か言いたそうな顔をしてたけど黙って玄関に向かった。
「ハイ?」
「あッ!!み、み、み、三神さんのお宅で間違いないっ…ですか!?」
「はあ…?そうですけど、どちら様?」
この声って…春野!?
私は玄関に急いだ。
「お、俺!琴音さんと…」
「春野っ!ごめん!すっかり忘れてたぁ!今日クラスのみんなで遊ぶんだったよね!みんな待たせちゃうから早く行こ?お兄ちゃん、ちょっと出掛けてくるね!」
「は?ちょっ…まだ挨拶とか…」
私は春野を連れて外に出た。
「なにすんだよ!?今の兄ちゃんだろ?ちゃんと挨拶しねぇと印象悪くなるだろ!?」
「挨拶とか大丈夫だから!」
仮で付き合ってる彼氏なんてそんな中途半端な事してるなんてバレたら絶対怒られる。
「そうだ!何音信不通になってんだよ!」
「それは…えっと」
「…まぁ、元気そうでよかった。具合悪いのかと思った」
あ…心配して来てくれたんだ。
「とりあえずどっか行くか?」
「あ…うん…えっと、ももこちゃんは?」
「今日は家にいる。来るか?」
「え?」
「ももこに会いにだよ!変な意味で言ってないから!」
「わかってるよ!そしたらももこちゃんに会いに行こうかな?」
私達は春野の家に向かうことにした。