朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について




何度も唇を重ねて、唇が離れると春野は私をギュッと抱き締めてくれる。



……き、緊張した。



抱き締められると春野の心臓の音が私に負けないくらいうるさくて、うるさいのにその音が何だか心地良くて余韻に浸ってしまう。



「琴音…あのさ」

「ん?」


~♪


なんて空気の読めない着信音。



メッセージならともかくこの音は電話だ。



「電話じゃね?出なくていいのか?」

「…あとでかけ直す」



~♪



一度切れたあとまたすぐに鳴り響く。



マナーモードにしておけば良かった。



「緊急かもしれないし出た方がいいよ」

「…もう」



私はソファから降りてスマホを鞄から取り出した。



うわ…お兄ちゃんからだ。



「もしもし?」

「琴音、今何時だ?」

「へ?あ…8時過ぎてる!気付かなかった!」

「この前門限8時って決めたよな?どこにいる?迎えに行くから」

「今すぐ帰るから!来なくていいよ!」



うちはお父さんが海外で働いている為昔から日本にいる事が少なくてお兄ちゃんがお父さんの代わりをすると、張り切っていてすごくうるさい。



今まで特に門限はなかったけど、この前アノ件で春野の家に泊まってしまったので門限は8時と決められてしまった。



男子の家に泊まってしまった事はあの場に参加してたクラスのみんなが協力してくれて誤魔化せたけど……


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