朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
なんて面倒くさいお兄ちゃんなんだろ。
本当に特に恋愛に関しては放っておいて欲しい…
「春野の幼なじみが私と同じクラスだから…その…」
山田君の存在利用しちゃったよぉ…さっき一緒に帰るの断ったのにこんな時に勝手に使うなんて最低だよ。
私はそれ以上何も言えなかった。
「その幼馴染みは何処にいるんだ?」
「…………直哉さん!あの」
春野が何かを言おうとした時だ。
「あれ?二人まだそんな所いたの?」
教室から山田君が出てきた。
もしかして…もっとヤバいかも。
「君は?」
「え?あ!三神さんのお兄さんですね。僕、三神さんと同級の山田哲哉と申します」
「琴音の兄の直哉だ」
春野の時と違ってお兄ちゃんは山田君と握手までしている。
「あ、嵐早く保健室に行ったら?」
「は?」
「直哉さん、嵐がうちのクラスに来てた理由については僕から説明させていただきます」
「あぁ、そういえば山田君って試験毎に貼り出される学年トップ3に毎回入ってたね?一度話してみたいと思っていたんだ。悪いけど君達…俺は彼と話す事にしたから外してもらえるかな?」
「えー…寂しいけど仕方ないかぁ」
「そうだね、行こ」
お兄ちゃんは取り巻きの人達を帰らせてまで山田君と話しに行ってしまった。