朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
「えっと…じゃあ、もう帰れそうだね?」
「………あぁ」
……あれ?
もしかして春野機嫌悪くなった?
校舎を出てしばらく歩いくけど春野はずっと黙ったまま私の少し先を歩いていた。
なんか…寂しい…
一年の時も意地悪の方でだけど、春野っていつも私といる時私に構ってきてたから急にこっち見てくれなくなると寂しく感じてしまう。
どうして急に機嫌悪くなっちゃったのかな?
山田君のおかげで何事もなく帰れるのに。
「春野…山田君話合わせてくれて良かったね?話してるの聞こえたのかな?」
「…」
「ねぇ!聞いてる?…………もうっ!春野の馬鹿!勝手に機嫌悪くなっちゃってさ!こんなんじゃ春野と帰ってる意味ない!春野がそんなんだったら私山田君と帰るから」
私はしびれを切らしてそう言って学校に戻ろうとした。
すると、春野は私の手を掴んだ。
「……直也さんに俺と付き合ってるって言いたくないのって俺じゃ直也さんに認めてもらえないから?」
「え?違うよっ…お兄ちゃん面倒な人だから」
「面倒なら尚更ちゃんと……って、わりぃ……俺達仮の関係なのに何言ってんだ」
春野の手を握ると春野は今にも泣き出しそうな顔をして私の手をギュッと握った。
あ…私、春野の事不安にさせてたんだ。
お兄ちゃん、山田君に対して明らかに好感あるような態度だったから…
「春野…どこかでゆっくり話さない?ここだと山田君とかお兄ちゃん来たら話せなくなっちゃうから」
そう言うと春野は頷いて私の手を引いて歩き始めた。
「どこ行くの?」
「……うち。その方がいいだろ?」
「そっか…そうだね」
私達は春野の家に向かった。