朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
彼氏の家


春野の家に到着すると今日は春野のお母さんがいるみたいだった。


どうしよう…緊張する。



春野が玄関に入ると春野のお母さんはももこちゃんを抱っこして玄関に出てきた。


「おかえり…あら!?こんにちは、いらっしゃいー」

「あ…こんにちは!お邪魔します、えっと…」

「彼女の琴音」

「三神琴音といいますっ」


私は春野のお母さんに急いでペコッとお辞儀をした。


ちゃんと彼女として紹介してくれた…。


恥ずかしいけど、家族にちゃんと紹介してもらえるのって嬉しいんだ。


…お兄ちゃんに邪魔されたくないからってちゃんと紹介しなかったの悪かったな。


「あらまぁ、いつのまにこんなに可愛いお嬢さんと!?いつも嵐がお世話になってます」

「いえ!そんなっ」


嵐はももこちゃんの頭をポンポンと撫でて私の腕を掴んだ。


「琴音、行くぞ」

「うん…おじゃまします」

「ゆっくりしてってね」


春野の部屋に着くと春野はベッドの上に座った。


「ソファとかないから琴音もここ座れよ」


春野は自分の隣りをボンボン叩いたので春野の隣りに座る。


「それで?」

「えっと…お兄ちゃんの事だけど、うちのお兄ちゃんすごく面倒くさくて前に好きな人が出来てその人と良い感じになった事があるんだけど…その時、相手の人の事調べたりとか良い雰囲気の時に邪魔してきたりとかヒドくて、愛想尽かされちゃった事があったから…」

「俺はそんな事で愛想尽かさねぇよ?」

「春野の事は信じてるけど…せっかく本当に付き合う為に頑張ってくれてるのにお兄ちゃんに妨害されたくないんだもん」

「琴音、心配してくれてたのか。でも、もし付き合えたら直也さんとも長い付き合いになると思うから…っつーか!俺が琴音の事どんだけ好きだと思ってんだよ!直哉さんに妨害されたって関係ない」

「春野…ありがとう……ちゃんと紹介しなくてごめんね、今度お兄ちゃんに彼氏って紹介する」


そう言うと春野はハァーっと息を吐いた。


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