朝、目が覚めたら意地悪なアイツと一緒のベッドで寝ていた件について
「ふうぅッ…」
もう…涙が止まらなかった。
すると春野は自分の胸に私の顔を押し付けた。
「なんで泣くんだよ?それになんで俺の事で直也さんに怒ってくれんの?」
「…フゥッ…だってぇ…」
「ごめん…俺がもっとちゃんとしてたら…哲哉みたいに優等生だったら琴音の事悲しませないで済んだのにな」
「違う!私…今のそのままの春野が好きだもん!山田君みたいに優秀じゃなくても春野には良いところたくさんあって…あの…」
私…あれ!?今春野の事好きって…。
わぁ…どうしよう!一学期の終わりまでに答え出すって言ったけど一学期始まった初日に好きって!?
「…マジで?琴音、もう俺の事好きになってくれたのか!?」
「違うよっ!あのっ…えっと!人としてだよ!?」
「なんだよ!まだ初日だし、焦ってないけどな…あー…とりあえず戻ってもう一回直也さんと話そう」
「それは嫌!しばらくお兄ちゃんの顔みたくないもん」
「じゃあ、これからどうするんだ?」
「私はなんとかなるから、春野はもう家帰って?遅くまでつき合わせちゃってごめんね」
「はいそうですか、じゃあまた学校で…なんて言うと思うか?馬鹿」
「馬鹿!?」
「こんな夜にこんな所で彼女置いて帰る馬鹿がいるかよ…」
「そっか…うぅ…でも家戻りたくない」
するとスマホが鳴る。
お母さんだ…
「…もしもし」
「琴音?今どこにいるの?」
「どこって…家の近くの路地…」
改めて現在地を確認すると家から本当にすぐそばだった。
こんな近くで捕まってたなんて…私足遅過ぎる。