桜色の雨に打たれて

「えっと、もしもし」

緊張して、声が震えている。

『ごめん。こんな時間に』

「大丈夫だよ。ちょうど暇だった」

『そっか。良かった』


優しい声に安心感を覚える。

「さっきの人、捕まったかな、」

『あれだけ悪そうな顔してるから、捕まったんじゃない?』

「そ、そうだね」


緊張しすぎて、心臓がうるさい。


私は、ゆっくり深呼吸をして続ける。


「で、あの、そのなんかあったの?」


『いや、ちょっと話したいなって思って』

「えっ?」

いきなり言われてびっくりする。長電話になるのかなんて思った。

『時間なかったら全然いいからね!』

「いや、大丈夫!」

男子と電話するのは初めてで、さっきより緊張感が増す。




学校のことを話し始めて、盛り上がっていると、もうすでに1時間が経過していた。






『たくさん話したね。そろそろ終わろっか』

気づいたころには、2時間が過ぎていた。

「もう2時間!?早いね」

『ね!美優はもう寝る?』

「うーん、そうだねー」

私は大きく伸びをして、目をこすった。

『じゃあ、おやすみ。美優』

「おやすみなさい」



透真との電話が終わった。電話が終わった後、部屋がいつも以上に静かに感じた。

楽しくて、あっという間だった。




今の時刻は23時25分。

つむは猫じゃらしをくわえて、走り回っていた。






~つむぎ日記~

2時くらいにつむが鳴き続けていてうるさかったので、ご飯を入れに行った。

「はい、つむ。ご飯だよ」

私がご飯を入れると、ご飯の方ではなく、私の方へ来た。

「どうした?」

「る"んに"ゃん"」

「え?」

私が聞いたことのない声で鳴くと、床に転がって、まん丸の目でこっちを見てきた。

可愛い。

「何してほしいの~!可愛いね~」

「にゃっあ」

「ふふっ、どういうこと?」



寝ないといけないと思ってベッドに行ったが、結局、しばらく寝れなかった。
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