海の向こう


家から学校までは少しだけ遠い


海沿いのバス停まで歩いて
律海高校前に止まってすぐだ


一人で新しい学校への思いをときめかせながらバス停まで足を運ばせる



『ひかる!』


振り返えると

『お、おはようございます!』

見覚えのある
元中の先輩の須藤くんだった


『お前、律海高校に来るの!?何で早く言わないんだよ―』

須藤くんは一つ上の先輩で中学校の頃は学校で一番のイケメンとして他校でも有名だった


現在でもその人気は衰えていないだろう



『俺の事覚えてくれてたんですか?』


『そりゃあね、こんな可愛い面してんし学校で会う度挨拶してくれてたし覚えてんよ~』


優しく微笑んで話す笑顔は今日の太陽よりずっと眩しい



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