知ってしまった夫の秘密
「真琴さんですか? 初めまして、村本です」
私がそばまで赴くと、彼女のほうから話しかけてきた。
不倫相手の妻と対峙しているというのに、どうしてそんなに堂々としていられるのか。そう尋ねたくなるほど彼女に動揺は見られない。反対に私は心臓がバクバクして痛いくらいなのに。
「連絡をもらった件ですが、本当ですか?」
不躾を承知で、私はあいさつもせずにいきなり本題をぶつけた。仲良くお喋りをする間柄ではないのだからこれでいい。
「本当、とは?」
「あなたが私の夫と肉体関係があるのかどうかです」
「え、私がウソを言ってると思ってました?」
心外だとばかりに顔を歪めながら最後にニヤリと笑った彼女に対し、嫌悪感から鳥肌が立った。
夫がこんな人と不倫しているなんて信じたくない。
「私はあなたに関して、夫の同僚だということ以外なにも知らないから」
「もちろんちゃんと証拠はありますよ?」
私がそばまで赴くと、彼女のほうから話しかけてきた。
不倫相手の妻と対峙しているというのに、どうしてそんなに堂々としていられるのか。そう尋ねたくなるほど彼女に動揺は見られない。反対に私は心臓がバクバクして痛いくらいなのに。
「連絡をもらった件ですが、本当ですか?」
不躾を承知で、私はあいさつもせずにいきなり本題をぶつけた。仲良くお喋りをする間柄ではないのだからこれでいい。
「本当、とは?」
「あなたが私の夫と肉体関係があるのかどうかです」
「え、私がウソを言ってると思ってました?」
心外だとばかりに顔を歪めながら最後にニヤリと笑った彼女に対し、嫌悪感から鳥肌が立った。
夫がこんな人と不倫しているなんて信じたくない。
「私はあなたに関して、夫の同僚だということ以外なにも知らないから」
「もちろんちゃんと証拠はありますよ?」