知ってしまった夫の秘密
私、紺野 真琴は四歳年上の巡二と二十六歳のときに結婚して、三年が過ぎた。
私は二十九歳、夫は三十三歳になった。
独身のころは会社でそれなりにストレスもあったのに、今となればそれも懐かしい。
辞めたときには解放感で満たされていたものの、うれしいのは最初のうちだけだった。
再び外で働きたい気持ちが増し、短時間のアルバイトを探した。そして縁があったのが今働いているイタリアンレストランだ。
小さくてもいい。大好きなコーヒーの香りに包まれたカフェを開けたらと、そんな夢を描いていたのだが……
夫が微塵も理解しようとしてくれなかった事実が、私の心を折ろうとしている。
「え、コーヒーソムリエの資格、巡二さんに反対されちゃったんだ……」
翌日になり、仕事を終えた私は友人である万季の家を訪れて、昨日の夫とのやり取りを包み隠さず話した。
万季は以前勤めていた会社の元同僚で、仲がよかった彼女とは退職しても友人関係が続いている。
結婚五年目になる万季は三歳の男の子と、もうすぐ一歳を迎える女の子のママで、今は育児休暇中だ。
いつも子どもたちのお昼寝の時間に話を聞いてもらっている。
私は二十九歳、夫は三十三歳になった。
独身のころは会社でそれなりにストレスもあったのに、今となればそれも懐かしい。
辞めたときには解放感で満たされていたものの、うれしいのは最初のうちだけだった。
再び外で働きたい気持ちが増し、短時間のアルバイトを探した。そして縁があったのが今働いているイタリアンレストランだ。
小さくてもいい。大好きなコーヒーの香りに包まれたカフェを開けたらと、そんな夢を描いていたのだが……
夫が微塵も理解しようとしてくれなかった事実が、私の心を折ろうとしている。
「え、コーヒーソムリエの資格、巡二さんに反対されちゃったんだ……」
翌日になり、仕事を終えた私は友人である万季の家を訪れて、昨日の夫とのやり取りを包み隠さず話した。
万季は以前勤めていた会社の元同僚で、仲がよかった彼女とは退職しても友人関係が続いている。
結婚五年目になる万季は三歳の男の子と、もうすぐ一歳を迎える女の子のママで、今は育児休暇中だ。
いつも子どもたちのお昼寝の時間に話を聞いてもらっている。