再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

　なにより、弁の立つ央太に隠し通すことができるのだろうか。

　どうやって幹太の父親のことなどをごまかそう。不安に揺れていると、肩に誰かの手が乗る。
　ハッとしてその人物を見上げる。真綾と央太のやり取りを静観していたノアだ。

　彼は鋭い視線で、央太を見つめている。

「真綾を連れていくのは、僕が許さないよ？」
「ノアさん？」

　央太の視線が冷たく鋭利な刃物のように鋭くなった。ノアが真綾の腰に腕を回してきたからだ。

　これには驚いてしまった。慌てて彼から離れようとしたのだが、力強く抱かれてしまい身動きが取れなくなる。

　どういうことかとノアの顔を見上げると、「何も言わないで」と目が物語っていた。
　飛び出してしまいそうな言葉を咄嗟に呑み込む。

　恐らく、央太から離そうとしてくれているのだろう。真綾は、息を呑んでノアの次の言葉を待つ。

　一方のノアは、真綾の戸惑いを感じていながらも、大胆なことを言い出した。

「永江先生。僕と真綾は恋人同士なんだ。他の男が運転する車には乗せたくないな」
「……」
「では、失礼するよ」