再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 ノアはスマートに真綾をエスコートしてこの場から離れようとしたが、それを央太から阻止される。
 央太に回り込まれ、行く手を阻まれた。

「申し訳ない、ノアさん。どうしても彼女と話したい案件が――」

 必死な形相で訴える央太に、ノアは冷めた顔をして眉を顰める。そして、淡々とした口調で聞いた。

「幹太のこと?」
「っ!」

 息を呑む央太に、ノアは感情を見せずに続ける。それが、より緊張を漂わせた。

「あの子は僕の子どもだけど? 事情があって籍を入れていないだけ。でも、もうすぐ入れるつもりだよ?」
「……」

 黙りこくる央太に、ノアは嘲笑うような態度を見せる。
 央太に挑発しているようにも見えて、真綾はヒヤヒヤした。だが、そんなこちらの気持ちなど無視をし、ノアは威圧的な態度を崩さない。

「永江先生、貴方は真綾のことに気を回す必要もないはず。それより、しなくてはいけないことがあるでしょう」
「しなくてはいけないこと……?」
「ええ。永江先生は、ご自分の家庭を守ることだけを考えるべきでは?」

 ノアの言葉に、央太は眉間に皺を寄せる。
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