再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「え?」

 目を丸くして彼を見ると、悔しいほど余裕ある表情を浮かべている。
 そういうところは、昔も今も変わらないらしい。
 どこか自信ありげに言う彼に悪態をつきたくなる。

「ノアさんと真綾は付き合っていない」
「ど、どうして……?」

 ノアの演技はなかなかなものだった。それを見ても、央太は嘘だと言い切るのか。
 眉間に力が入っていると、彼は余裕綽々といった様子で言う。

「それぐらいわかる」
「え?」
「真綾の目が違ったから」
「目?」

 目がどうしたというのか。何度か瞬きを繰り返していると、央太は目元を緩めて魅惑的な表情でほほ笑んでくる。

「俺に向けてくれているときは、もっと柔らかくて甘かったから」
「え!?」

 思わず声を上げてしまい、両手で口を押さえる。だが、ここで動揺をした様子を見せたら、央太の思うツボだろう。
 グッと体勢を整え、わざとらしく頬に笑みを浮かべる。

「さすがは弁護士さんですね。洞察力があります。確かにノアとは付き合っていないし、結婚もしません」
「……」
「困っていた私を見て、ノアが咄嗟に嘘をついてくれただけです」

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