再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 ドキドキしすぎて、彼の言葉が頭に入ってこない。

 胸の辺りでキュッと両手を握りしめていると、彼は至極真面目な顔をして言い切った。

「真綾に、もう一度好きだって言わせてみせる」
「え……」
「そして、幹太にも俺が必要だと思わせてみせるよ」
「ま、待っ――」

 それは困る。そう思って彼に考え直してもらおうと制止させようとする。
 だが、その声は彼の唇に奪われてしまった。
 素早い動きでキスをされ、央太は不敵にほほ笑んで顔を覗き込んでくる。

 壁にへばりついて、ただ彼を見上げるしかできない。ただ、身体中が熱くなって、何がなんだかわからなくなってしまっていた。
 唖然としたままでいると、央太はふんわりと優しい手つきで頬を撫でてくる。
 頬から伝わってくる彼の熱も、かなり熱く感じた。

 ゆっくりと慈しむように頬を撫でられ、擽ったくて肩を竦める。
 そんな真綾に再び近づき、央太は耳元で囁いてきた。

「もう、お前を離さないから」

 情欲をたっぷり含んだ声で囁かれ、ますます頭が真っ白になってしまう。
 硬直したままの真綾の頭をポンポンと優しく触れたあと、彼は部屋を出て行ってしまった。
< 136 / 224 >

この作品をシェア

pagetop