再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
パタンと扉が閉まる音がして、ようやくハッと我に返る。
そこでこのあり得ない事態を把握し、頭を抱えたくなった。
「こんなにドキドキさせて……どうするつもりですか、央太さん」
幹太の父親について核心に迫ろうとする央太を、なんとか牽制したつもりだった。
だが、そう思っていたのは真綾だけで、彼としては何かを確信してしまったらしい。
相手が悪かったのだ。なんと言っても、相手はヤリ手弁護士さま。
真綾一人でなんとかなる相手ではない。
一応、幹太が央太の子であるという最重要情報を突き詰めては来なかった。
しかし、あれは絶対にわかっている様子だ。幹太が央太との子どもであるということを。
すでに確信しているようにも見えた。
「本当にどうしよう……」
唇に触れる。そこはまだ、央太の熱が帯びていた。
あのキスが、過去の記憶をすべて蘇らせていく。身体が甘美に震え、彼の熱がもっと欲しいと叫んでいる。
理性で抑えようと思っても、抑えられるものではない。身体がすべてを覚えている。そんな気がした。
「マズイ。本当にマズイわよ……これ」