再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 央太が既婚者ではないことがわかったこと、そして彼は薄々……いや確実に幹太が自分と真綾の子だということを確信していること。
 それらを考慮しても、やはり考えは変わらない。央太から離れるべきだ。

 それはお互いの幸せを思ってのこと。そこはブレてはいけないだろう。
 しかし、本心はどうだろうか。本当にそれでいいと思っているのか、そう問われると即答できなくなっている自分がいる。

 幹太がお腹にいることがわかり、逃げるように彼の前から去った。だけど、その決断が本当によかったのかと何度も何度も悩んでは答えのでない問いを繰り返している。

 しかし、根本にあるのは、央太の幸せを願ってのこと。
 嫌いで彼の元を離れた訳ではない。大好きだからこそ、愛しているからこそ離れた。

 今も尚、真綾の心を離してやまない男性は、央太ただ一人だ。
 だからこそ、諦めないと言われて嬉しくない訳がない。彼の気持ちに応えたくなってしまうのも仕方がないことだろう。

 央太と再会して困惑と嬉しさが込みあげた。なにより、彼が今も弁護士を続けていることが嬉しくて仕方がなかったのは確かだ。

< 138 / 224 >

この作品をシェア

pagetop