再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 保育園には伯父である央太が迎えに行くことを伝えておく旨と、保育園の地図をメールで送ると言うと通話は切れた。

 すぐさま携帯には道子からのメールが届いたので確認する。
 それには晶子が通っている保育園の住所や連絡先、そして地図が添付されていた。
 その保育園の名前と地図を見て、目を見開く。幹太が通っている保育園だったからだ。

 幹太のまっすぐな目を思い出す。熱で身体が辛かっただろうに、自分の母親を守ろうとする様子は子どもだと嘗めてかかれないほど真摯だった。
 彼はずっと真綾を守ってきていたのだ。あの小さな身体で。

 そのことを思うと、心がとても痛む。だが、それを彼に言ったら怒られるかもしれない。
 幹太は自分の意思で真綾を守っていただけで、無理を強いられた訳じゃない、と。
 彼ならそう言いそうだ。得意げに言う幹太の顔が容易に想像できて、思わず頬が綻ぶ。

 幹太に真綾を一緒に守りたいんだ、と告げたとしたら、彼はなんと言うだろうか。
 今頃ノコノコと出てきて、バカを言うな。そんなふうにスッパリ切ってきそうだ。
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