再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 そう誓っている男の前に現れてしまったことを、真綾はいつか後悔することになるのだろうか。
 
「いや、後悔などさせない」

 彼女の心を再び掴むためには、六年前に何があったのかを彼女の口から聞かなければ始まらない。
 央太のことが嫌いになって、目の前から姿を消したのではない。そんな絶対的な確信があった。
 真綾が央太に向ける視線は、あの頃と同じ。甘やかさを含んだものだったからだ。

 嫌悪していた相手に、そんな視線を向けるはずがない。となれば、何か他に理由があったからだろう。
 その理由を絶対に真綾の口から言われてみせる。まずはそこからだろう。

 小さく息を吐き出したあと、思考をビジネスモードに切り替える。
 晶子を迎えに行くとなれば、リスケ案件も出てくるだろう。
 秘書に連絡をし、調整をしてもらったあと、今日中にしなければならない案件だけを取り組んでいく。

 なんとかギリギリではあるが、保育園の延長時間前に園庭に入る。すると、そこには姪っ子である晶子と幹太が仲良く遊んでいた。
 というより、幹太が晶子の面倒を見てくれていたといった方がいいだろうか。

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