再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

「時間がほしい。いや、違うな……」
「え？」

　この前の話の続きをしたいのだと思ったのだが、違うのだろうか。
　幹太が自分の子かどうか。それを真綾の口から確認したいのだと思ったのだが、そうではないのか。

　彼の心内では、幹太が自分の子どもだということは確定しているはずだ。
　だけど、きちんとした確信を得たい。そう思ったからこそ、こうして真綾の前に現れたのだろう。

　ふと、真綾の脳裏に過ったのは、あの会議室での央太の言葉の数々だ。
　真綾を諦めない。そんな類いの言葉を幾度も浴びせられた。

　情熱的な瞳と彼の真摯な態度を思い出してしまい、頬が熱くなってしまう。
　これではいけない。首を何度か振って考えを払拭しようとする。
　だが、そんな真綾を央太はあのときと同じように情熱的な目で見つめてきた。

「お前とデートしたい」
「…………」

　ピタリと動きを止めて彼を食い入るように見つめていると、央太はより顔を近づけてきた。
　あまりの近さに仰け反ろうとしたのだが、掴まれていた手首をグッと引き寄せられてしまう。

「ちゃんと聞こえていたか？」
「え？」