再愛婚～別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています～

「真綾にずっと実家のことを話せなかったのは、お前が俺を避けるようになるかもしれないと危惧したから。こんなに魅力溢れているのに、真綾は自己評価が恐ろしく低いからな。俺の隣には立てないなんて言って、逃げてしまうのを恐れていたんだ」
「……っ」
「弁護士を諦めるのは……苦しかったが、約束だったから仕方ないと思った。だけど、真綾だけは絶対に諦め切れなかった」

　あのとき、子どもができたと告げていたら、永江家に疎まれていただろう。その事実を突きつけられ、胸が痛くなる。
　何も言えずに彼を見つめるしかできない。
　央太は苦渋に顔を歪め、あの日の過ちを口にする。

「それで自棄になって酒を飲んでお前を抱いた。真綾を守るために必ず避妊をしていたのに、あのとき……俺は卑怯な手に出ようとした」

　ギュッと力を入れすぎて、握る拳が震えている。彼の後悔が伝わるようで、真綾は息を呑んだ。
　央太は苦渋を滲ませてくる。

「真綾と別れさせられたくないからと、真綾の気持ちを蔑ろにしてしまった」

　握っていた手をゆっくりと開いて、彼は自身の手を見つめる。
　その手は震えていて、彼の後悔を感じた。