再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 なんとか彼女を抱きとどめることができた。踊り場部分から突き落とされたので、さほど高い部分からじゃなかったのが幸いした。

 だが、もし抱き留めるのが遅れてしまったら……。彼女の華奢な身体は、このアスファルトに激突していただろう。
 ぞくりと恐怖に慄き、ギュッと抱きしめて彼女の安否を確認した。

 恐怖で気を失ってしまったのだろう。
 呼吸もしているし大丈夫だろうが、一度病院に行った方がいい。
 どこかぶつけていたり、骨折していたら大変だ。

 慌てて駆けつけてきた道子に「真綾を頼む」とお願いしたあと、俺は携帯を取り出し救急車を呼ぶ。

 ある一点を見つめ、カツンカツンと歩道橋を上る。
 すぐに電話は繋がり、央太はオペレーションに現状を伝える。だが、視線の先の人物を一秒も目を離すことなく睨み続けた。

「救急です。場所は、●●保育園前の歩道橋。二十九歳の女性が、五十五歳の中年男性に
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