再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 ちょうど部屋に入ってきた道子と目が合う。そんな彼女を見て、央太は困ったように眉を下げる。

「今日は、真綾に謝罪がしたいと言って、道子と一緒に保育園に行ったんだ」

 央太と道子、二人が揃って保育園に行こうとしていた理由がわかった。だが、困惑してしまう。

 彼女は泣きそうになりながら、真綾がいるベッドまでやってきた。
 そんな彼女を見て、央太は幹太の手を握ると、「外に出ているから」と部屋の外に出て行く。

 誰もいなくなった病室で、道子は深く頭を下げた。

「六年前は、本当にごめんなさい。私、あの頃は自分のことしか考えていなかったです」

 今も尚、頭を下げ続けている道子に顔をあげてくれと頼むと、彼女はゆっくりと顔を上げた。
 だが、その顔は涙でグシャグシャで六年前の強気な彼女とはかなり違って見える。
 ビックリしていると、彼女はあの頃の永江家について説明してくれた。

< 207 / 224 >

この作品をシェア

pagetop