再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
 しかし、何度もノアには気持ちを告げている。
 幹太の父親が今も好きなのだと、想いは通じなくても、ずっとずっと好きなのだと。
 改めてノアには説明をしようと心に決めていると、彼は「仕切り直して」といつの間にかビジネス仕様の表情へと変化していた。

「真綾は初めて会うよね? こちら、顧問弁護士の永江央太先生。本社と日本では法律も違うから、色々な面でお世話になると思う。特に契約書関係のリーガルチェックなどを担当されているんだ」

 ノアは真綾に央太を紹介したあと、今度は央太に向かって真綾を紹介する。

「永江先生。こちら、僕と一緒に本社から異動になった小関真綾さん。うちのチームでは本社とのやり取りが一番多くなるかと思います。色々と先生にお力を貸していただく機会が多くなるかと思いますが、よろしくお願いします」

 さぁ、とノアは真綾に挨拶をしろと促してきた。
 通常なら、すぐさま名刺を取り出して差し出しつつ挨拶をしている。
 だが、逃げようと思っていたのに、これから仕事で接触があるという想定外の事態に頭が回ってくれない。

「真綾? どうしたの?」
「あ!」

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