再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「仕事の話……って感じはしなかった。だから、わざと話しかけたんだが」

 やっぱり二人の異様な様子に何かを感じ取ってしまったようだ。
 だが、内容を央太に詳しく説明する訳にはいかない。
 真綾はわざとらしく笑って、なんでもないと否定した。

「ちょっと言い合いになっちゃっただけです。彼とは本社でずっと一緒だったから気心しれているので。だから、物の言い方がキツくなっちゃうだけです」
「……」
「ちょっとエキサイトしちゃってたかもしれないですね。永江さんが声をかけてくれなかったら、白熱してしまっていたかもしれません。止めてくれてありがとうございました」

ノアに抱きしめられているのを見られているはずだ。かなり苦しい言い訳だが、致し方ない。
 慌ててサッと手を引っ込めた真綾を見て、どこか納得がいかない様子の央太は小さく息を吐き出した。
 
 真綾が他人行儀をするのが面白くなさそうな様子だったが、彼は急にビジネスライクな笑みを浮かべる。

「もし、よろしければ送っていきますよ? 急いでいるのでしょう?」
「え?」

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