架空女子でごめんね
「すずめちゃん、可愛いな」
その衝撃が。
その言葉が。
私の胸の奥に。
何かを埋め込んだ。
ドキドキと高鳴る鼓動。
体が熱を持っていく。
あぁ。
間違いない。
この想いが何かを。
私はわかっている。
「一緒に帰って」って。
「笑ってくれて」、「見せてくれてありがとう」って、言ってくれた。
無意識なのかもしれないけれど。
ちょっとした言葉の使い方に。
徹平くんの優しい人柄が見えた気がする。
今、隣にいてくれることも。
さっき、一緒に探してくれたことも。
最初に、声をかけてくれたことも。
全部、全部。
私の「好き」に。
輝きを与えてくれる。
夢みたいな帰り道。
たくさん話して。
笑って。
でも、あっという間に終わりを迎える。
「あの、ここ、私の家です」