架空女子でごめんね

「島田って意外とそういうの、気にするよね?」



山川さんはそう言って、
「でもさ、本当にキレイになったよ、津山さん。ノーメイクでもさ、なんていうの?キラキラしてるよ」
と、私に親指を立てた。



「そ、そうですか?」



嬉しくて、顔の筋肉が緩む。



「徹平くんとは会ってるんでしょ?」



福本さんは空になったマシュマロのお菓子の袋を、くるくる丸めて遊ぶ。



「それが、期末テストがあったので……、改めて会ったりはしていないんです」

「えっ、そうなの?いかんよ、それは」



島田さんが身を乗り出す。

山川さんも、
「メッセージのやり取りは?」
と、心配そうな顔つきになる。



「あ、それは大丈夫です。テスト期間中だったからやり取りは抑えめでしたけれど、でも連絡は取っていましたよ」

「……それなら良かった」



ホッとする山川さんと、島田さん。



「山川も島田も、津山さんに過保護だねぇ」



福本さんが笑った。



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