架空女子でごめんね

「でも、問題があって」



私は、3人の顔を見た。



「何?どした?」

「週末にデートしようって言ってもらえたんです」

「……」

「……」

「……」

「……あれ?どうかしましたか?」



きょとんとしてしまう。

そんな私に3人は、
「いや、問題っていうから身構えたんだけど……」
と言って、私以上にきょとんとしている。



「デートに行くならいいじゃん。仲良しじゃん」



島田さんに、山川さんもうなずく。



「そうだよ、何が問題?」



私は、
「重大な問題があるんです」
と、前置きしてから、
「オシャレしたいんです。だってデートだから、可愛くなりたいじゃないですか」
ため息混じりに答えた。



「あっ、そっか!」



山川さんがポンッと両手を叩く。



「津山さんが着飾ったら、『美鳥』になっちゃうんだった!」

「……そうなんです」



私はもう1度、盛大なため息を吐く。




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