架空女子でごめんね

「えー、それはもう、公認なんじゃないの?」

「公認って何だよ、島田」
と、山川さん。


「徹平くん公認。だって言ってたじゃん。好きなのはキミ自身だって言われましたー、とかなんとか」



島田さんは笑って続ける。



「もう『美鳥』でも津山さんでも、徹平くんにとってはいいんだよ。どっちでも」



「それはそうかも……、でもなぁ」



福本さんが両腕を組む。



「言葉は悪いけど、津山さんが騙してた姿でデートに行くって、どうなの?」

「あっ、本当に言葉悪いな」

「……大丈夫です、島田さん。本当のことだから」



「ま、津山さんがオシャレするにしてもさ、メイクは少し変えたほうがいいんじゃない?」
と、山川さんが明るい声を出した。



「メイクを、変える?どういうことですか?」



前のめりで聞いてしまう。



そんな私を見て3人は、
「あはっ、可愛い」
と、笑った。



「徹平くんが津山さんを好きになる理由って、なんかわかるよね」



福本さんが私の髪の毛をわしゃわしゃと撫でた。


< 114 / 132 >

この作品をシェア

pagetop