架空女子でごめんね
「えー、それはもう、公認なんじゃないの?」
「公認って何だよ、島田」
と、山川さん。
「徹平くん公認。だって言ってたじゃん。好きなのはキミ自身だって言われましたー、とかなんとか」
島田さんは笑って続ける。
「もう『美鳥』でも津山さんでも、徹平くんにとってはいいんだよ。どっちでも」
「それはそうかも……、でもなぁ」
福本さんが両腕を組む。
「言葉は悪いけど、津山さんが騙してた姿でデートに行くって、どうなの?」
「あっ、本当に言葉悪いな」
「……大丈夫です、島田さん。本当のことだから」
「ま、津山さんがオシャレするにしてもさ、メイクは少し変えたほうがいいんじゃない?」
と、山川さんが明るい声を出した。
「メイクを、変える?どういうことですか?」
前のめりで聞いてしまう。
そんな私を見て3人は、
「あはっ、可愛い」
と、笑った。
「徹平くんが津山さんを好きになる理由って、なんかわかるよね」
福本さんが私の髪の毛をわしゃわしゃと撫でた。