架空女子でごめんね

「えっ!?いや、そんな、私は別に……」



「津山さんって素直だもんね。それに、意外と好きなものとか、興味があることに突進するタイプじゃない?」



山川さんがニィッと笑って言ったことに、島田さんもうなずく。



「わかるよ、目がキラキラするもんね」

「そうなんですか?」



自分では、わからない。

山川さんが、
「ザ・少女って感じ。だからなんか、構いたくなる」
と言った顔が、お姉さんな感じでドキッとする。



「なんか、恥ずかしいです」



「……ま、褒め殺すのはここまでにしてさ」
と、山川さんはほんの少し真剣な顔になった。



「『美鳥』にならないメイクを勉強するのも、いいかもよー?」



「『美鳥』にならないメイク……」



山川さんの言葉を繰り返して、私は考えた。







『美鳥』にならないメイクとは!?



学校帰り。

電車の中でもずっと考えていた。


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