架空女子でごめんね
その時。
徹平くんと目が合って。
ドキンッ!!
心臓が飛び跳ねた。
「すずめちゃん……」
「は、はい……」
この雰囲気。
何か、今までと違う。
徹平くんの顔がほんの少し、近づいた気がした。
思わずうつむいて。
ぎゅっと目をつむった私。
(…………)
……ん?
あれ?
目をそっと開けると。
目の前にいたはずの徹平くんと、距離が出来ていて。
「ねぇ、ブランコ漕ぐのって得意?」
と、徹平くんが聞いてきた。
それがいつもと変わらない徹平くんで。
私は混乱した。
(あれ?さっきのって……?でも、あれ?)
もしかして。
違うって思われた?
『美鳥』じゃないメイクをして。
『美鳥』じゃないオシャレして。
私なりの、「可愛い」になれたらって思ってたけれど。
徹平くんは、今の私のことをどう思っているんだろう?