架空女子でごめんね
しばらくして。
緑の多い、川が流れる場所に行こうと、私は徹平くんに提案した。
「いいよ!水の音を聞いて涼みたいかも」
徹平くんはニコニコ笑って、ブランコからおりる。
川の流れる場所まで来て。
「わぁっ、魚いるよ!すずめちゃん、見て」
と、川をのぞき込む徹平くんが手招きしてくれる。
私は徹平くんのそばに行って。
「本当だっ、キレイ……!」
同じように川をのぞき込んだ。
「プリンセスみたい?」
徹平くんが私に尋ねた。
「……魚のドレス、ですか?」
クスクス笑って、私は徹平くんを見た。
だけど。
徹平くんは、笑っていなかった。
真剣な目で。
私を見ている。
「オレの隣にいるの、変な感じする?」
徹平くんの淋しそうな表情を見て、私は「違うのっ」と言った。
「違うんです……っ、そうじゃなくて」
「お願い、隠さないで教えて」
私はうつむいてしまう。
だけど。
(徹平くんを不安にさせてしまっている)
そう思ったら。
(言うしかない)
覚悟を決めた。
「あ、あの」
「うん」
「私、私が自信ないんです」
「うん?」