架空女子でごめんね

私が決めていいんだ。

徹平くんが許してくれるなら。






徹平くんがじっと私を見つめて、両手で私の頬を包んだ。



「さっき、イヤだった？」

「さっき？」



……あ。

ブランコの時、かな？



「……イヤ、じゃなかったです」



「えっ、そうなの？」

「えっ？そうです」

「そっかぁ、オレ、焦っちゃったぁー。すずめちゃんがうつむくから、イヤがってる！って」



徹平くんが「あはははっ」と、嬉しそうに笑うから、私もニコニコと笑顔になってくる。



そんな私を見て徹平くんが、
「……可愛い、すずめちゃん」
と、呟いた。



徹平くんの顔が近づいてきて。

自然と私は目を閉じた。

唇が触れて。

その瞬間から、私の心臓が飛び跳ねて大騒ぎを始めているけれど。



（幸せ）



そう思った。



唇が離れて。

目を開けると。