架空女子でごめんね
第2話 太陽のそばに
私立C C女子高等学校に入学して。
気がついたらゴールデンウィークが終わっていて。
入学前は憧れでしかなかった C C女子高の制服も。
見慣れた「当たり前」と化していた。
徹平くんは県立 C東高校に進学した。
時々、地元の駅前で C東高の制服を着た徹平くんを見かける。
オシャレで、いかにもキラキラしている、徹平くんと同じ制服を着た人達と。
徹平くんは楽しそうに明るい笑顔で話している。
目が合うことはない。
だって私。
目を合わさないようにうつむいているから。
徹平くんを見かけると。
私の心臓は破裂するんじゃないかっていうくらいに。
「好き」、「好き」と、騒ぎ出す。
だけど。
目を合わせたい、とか。
ましてや話したい、なんて。
思わないようにしている。
だって、私だから。
キラキラ輝く徹平くんの隣に。
私みたいなすみっこ女子の居場所なんて、無いよ。