架空女子でごめんね
「えっ」
思わず顔を赤らめてしまう。
「えっ!!」
山川さん達は驚いたのか、揃って席から立ち上がり、
「マジか!ちょっと聞きたいんだけど!津山さんの恋バナ!!」
と、私の机にイスを移動させて、私をニコニコ顔で囲む。
「や、あの……」
クラスでも目立つ存在の3人。
そんな人達が、私なんかの話を聞きたいわけがない。
「からかわれていますか?私」
勇気を出して尋ねる。
だって。
からかわれたくないくらい。
軽い気持ちでイジられたくないくらい。
私にとって。
この想いは大切だから。
守りたいから。
山川さんは眉間にシワを寄せた。
それから、
「何言ってんの?」
と、低い声を出した。
……怒らせた?
少し怖くなって、私はうつむいた。
「あんたが何度もため息吐くくらいに真剣な気持ち、からかうわけないし」
え?