架空女子でごめんね
(あ、どうしよう……)
山川さん達のことを傷つけてしまった。
私はそう思って、
「ご、ごめんなさい」
と、顔を上げて山川さんを見た。
山川さんは私と目が合うと、
「いいよ、別に。ま、津山さんからしたら話したくないことかもしれないもんね?」
と言って、ニイッと笑ってくれた。
「今、初めて話したもんね?」
そう言った福本さんが両腕を組んで、神妙な顔をする。
その仕草を島田さんが真似して、ケラケラ笑っている。
「ごめん、ごめん。あたしがいきなり過ぎた」
山川さんはイスの向きを、自分の席のほうへ戻す。
「……あ、待って!」
私は山川さんの制服のシャツの裾を、きゅっと掴んでしまった。
「ごめんなさい。私、その……、話を聞いてもらいたい、です」
口からするりと出た本音。
自分自身が1番驚いてしまう。
からかわれたくない。
イジられたくない。
でも、私。