架空女子でごめんね
「わからないことだらけで。質問ばかりしてごめんなさい」
苦笑いしていると、山川さんはニイッと笑って、
「なんで?いいじゃん」
と、言った。
「……あのさ、写真に撮るといいよ。スマホのカメラで記録すんの。うまくできたと思ってもあとから見たら、やっぱり変だなって気づけるよ」
「あ。なるほど、そうします」
「特に眉毛とアイラインね。客観視、大事」
?
「眉毛はなんとなくわかりますけれど、アイラインもですか?」
山川さんはうなずく。
「メイク始めた頃ってビビるから、アイライナーを引く手が震えるんだよね。そうするとラインがガタガタになるでしょ。あと、左右の目でアイラインの幅や長さ、ハネの位置が違っても目立つよ」
「アイライン、ガタガタになります」
「コツを掴むまでマジで練習あるのみだから。頑張って」
午後の授業も終わって。
私は電車に乗って地元の駅まで帰って来た。