架空女子でごめんね

「わからないことだらけで。質問ばかりしてごめんなさい」



苦笑いしていると、山川さんはニイッと笑って、
「なんで?いいじゃん」
と、言った。



「……あのさ、写真に撮るといいよ。スマホのカメラで記録すんの。うまくできたと思ってもあとから見たら、やっぱり変だなって気づけるよ」

「あ。なるほど、そうします」

「特に眉毛とアイラインね。客観視、大事」







「眉毛はなんとなくわかりますけれど、アイラインもですか?」



山川さんはうなずく。



「メイク始めた頃ってビビるから、アイライナーを引く手が震えるんだよね。そうするとラインがガタガタになるでしょ。あと、左右の目でアイラインの幅や長さ、ハネの位置が違っても目立つよ」

「アイライン、ガタガタになります」

「コツを掴むまでマジで練習あるのみだから。頑張って」






午後の授業も終わって。

私は電車に乗って地元の駅まで帰って来た。



< 29 / 132 >

この作品をシェア

pagetop