架空女子でごめんね
福本さんと島田さんは一緒に居たいと言ってくれていたけれど、今日はそれぞれ部活があるらしい。
渋々といった様子で、教室を出て行った。
洗顔してきた清潔な顔に化粧水などを塗って準備を済ませた私に、
「じゃあ、メイクしてみな!」
と、山川さんは声をかけた。
私は無言でうなずき、鏡の中の自分を見つめて、「大丈夫、私なら変われる」と、心の中で念じた。
日焼け止めや化粧下地などを塗って、ティッシュペーパーで軽くおさえて余分な油分をとる。
ファンデーションはおでこや鼻の筋などの、Tゾーンと呼ばれる部分を丁寧に。
アイラインをゆっくりだけど、丁寧に引いて。
アイシャドウはブラウン基調のものを、ぼかしつつ、重ねて塗る。
チークをほんのりオレンジカラーでまとめて。
ポンッと唇の真ん中において馴染ませたリップで、メイクの完成度をグッと上げる。
「おぉー、いいんじゃん?」