架空女子でごめんね
「言ったじゃん。私達は津山さんを応援するって。忘れたの?」
「え、いや……、でも」
「もちろん嘘はよくないよ。でも、『美鳥』だって津山さんだもんね?うまくいくように、私は津山さんを応援してあげたい」
「山川さん……」
うるっとしてくる。
そんな私の背中を優しくポンポンして、山川さんは言った。
「よっしゃ!気合い入れてデートに行きなよ!」
放課後。
メイクをして。
ヘアアレンジが得意な島田さんが、手際良く編み込みをしてくれた。
待ち合わせ場所はCC女子高とC東高の中間地点にある、D駅の改札前だった。
D駅のそばに大学があるので、D駅付近は若者が好むようなカフェや本屋、洋服屋や雑貨屋など、様々なお店が立ち並ぶ。
「若者の街」なんて呼ばれている区域だ。
電車から降りて、改札の所まで進むと。
徹平くんが、いた。
私を見つけた時。
徹平くんは目を細めて、小さく片手をあげてくれた。