架空女子でごめんね
「え?」
「『美鳥』ちゃんが良かったら、オレと遊ぼう?」
徹平くんはニコニコ笑って、
「妹さんも連れてきなよ。インドア派のふたりにまとめてオレが、アウトドアの楽しいこといっぱい教えてあげる」
と、口をもぐもぐと動かした。
「え、本当に?」
「うん。楽しみだね。ってか、そういえば妹さんがいるって初めて知った。いくつ違い?」
(……すごい)
私、徹平くんとおしゃべりをしている。
会話が、続いている!
ファストフード店を出て、徹平くんが「ねぇ、知ってる?」と言った。
「D駅の周辺に大きな公園があるんだけれど、その公園の中に川が流れてるんだよ」
「川?」
「うん。小川っていうの?昼間は水遊びしている小さな子とかもいるんだ。近くだから行ってみる?」
駅から10分も歩かないうちに、D町自然公園という、緑豊かな公園に着いた。