架空女子でごめんね
入場料は無料。
夕方近い今くらいの時間は、小学生の子達がサッカーをしていたり、中高生のカップルらしき男女がベンチに座って缶ジュースを飲んでいた。
「こんな場所、知らなかったです」
キョロキョロ見回しながら、徹平くんに言う。
「オレ、ここ好きなんだ。時々来るよ。姪っ子がいるんだけれど、ここに連れて来たらすっごく楽しそうにしてくれるし」
「姪っ子さんがいるんですか?」
「うん。いちばん上の姉ちゃんとオレ、歳が離れてて。10コ違い」
「そうなんですね」と返事をしつつ、徹平くんのことを少し知れた気がして嬉しくなる。
公園の奥に進むと、一段と緑の多い場所に来た。
サラサラと水の流れる音が聞こえて、涼しく感じる。
噴水のようなものがあって。
そこから小川のように。
緑の中に川が流れていた。
「わぁ、キレイ!」
思わずはしゃいだ声を出してしまう。