架空女子でごめんね
『5時間目、化学の授業ー……。苦手〜。寝ちゃいそう』
くすっと笑ってしまった。
『私は体育です。体育館でバレーボールをします』
『バレーボール、得意?』
『苦手です。サーブ、ネットに引っかかってばかりです』
『簡単に想像できるかも(笑)』
スマートフォンから顔を上げると。
山川さん達がニヤニヤ笑って、私を見ていた。
「青春だねぇ」
山川さんが私の両耳を引っ張って、嬉しそうにからかった。
週末。
今日は徹平くんと水族館に行く約束をしている。
「ねぇ、ひばり。この洋服ってどう?」
「可愛いんじゃない?」
「張り切り過ぎ?」
「張り切り……?わかんないよ。……え、お姉ちゃん、デートにでも行くの?」
ひばりが目をぱちくりさせて、私にそろそろと近づいてきた。
「デート!?ま、まさかぁ〜」
声が裏返ってしまう。
ひばりは「え」と小さく叫んで、
「すごーい!!デートなんだ!!」
と、はしゃいだ。